■□■フェレスの物語■□■


ここでは、『フェレス・リンデ』の物語を簡単にご紹介します・・・。

+双子のハイ・エルフ。+
強大な魔力をもって、『魔法』の力を行使することが出来る種族『エルフ』
その事を“誇り”とし、また“存在意味”とする彼ら。
『フェレス・リンデ』もそのエルフ(ハイ・エルフ)としてこの世に誕生しました。

その彼女と時を同じくして、一人のエルフがこの世に産声をあげます。
フェレスの双子の弟
『セレス・リンデ』です。

強気で勝気、常に明るく振舞い周囲を笑顔にさせる、そんな少女
フェレスと。
反対に大人しい性格で、常に姉に振り回されている、
けれどそんな姉の事を誰よりも大切に想っている、心優しい少年
セレス
二人はとても、仲の良い姉弟です。いつどんな時も、出来る限り、二人は常に一緒。
誰の目にも、そんな二人はとても幸せそうに映る事でしょう。・・・“何も知らなければ”。


+エルフのしきたり。+
エルフには、5歳になると、とある“儀式”をうけるというしきたりがあります。
これは、“その者の魔力の有無”を確かめるためのものなのですが、
この儀式を通過する事で初めて“立派なエルフ”として周囲から認められます。
(15歳時にもこれは行われ、この時は他種族でいう成人の儀式の意味も持ちます)

『フェレス・リンデ』『セレス・リンデ』も当然、5歳になった時この儀式に臨みました。
セレスは幼いながらも成人エルフのそれをはるかに越える魔力を持つとして、
周囲からは羨望のまなざしで見られる事になります。
ですが・・・
フェレスは・・・。


+魔力を持たないエルフ。+
エルフとして認められるためのその儀式で、
フェレスはただ一人認められませんでした。
フェレスには“魔力が備わっていない”というのです。
同じ世界に存在する『人間』種族ですら、エルフには劣るものの魔力を持っているというのに。
フェレスには“一切の魔力が備わっていない”というのです。
本人はもちろん、周囲はとても驚きました。
“フェレスは、エルフでありながらこの世に魔力を持たずに誕生した”
・・・どうしてそんな事になったのか。
・・・それは運命のいたずらなのか。

この時から、
フェレスの運命の歯車は大きく動き出します・・・。


+セレス・リンデとクルル・カレル。+
“魔力を持たないエルフは、エルフとして認められない。”

フェレスに魔力がないとわかると、彼女に対する周囲の反応は大きく変化しました。
フェレスを蔑んだ目で見る者がいました。投石などして、直接傷つけようとする者もいました。
彼女は、とても辛い日々を過ごしていました。
けれど、けして辛い顔を見せたり。自分の境遇に絶望したりする事はありませんでした。
それは、側で常に自分と共にいてくれる。自分の事を想ってくれる
セレスという存在があったから。

自身のその性格が邪魔をしてか、気持ちを表に出すことはほとんどなかった
フェレスですが。
けれどその胸の内では
セレスにとても感謝していました。フェレスセレスが大好きでした。
そして、同時にとても申し訳なくも感じていました。

「セレス。・・・ありがとね。でも・・・本当にごめんなさい・・・」

また、
セレスの他にもう一人。彼女には支えとなってくれる一人の少女がいました。
『クルル・カレル』“エルフ”である彼女はある時、ハイ・エルフの王国へとやってきます。
そこで
クルルセレスと知り合い、その流れでフェレスとも知り合います。
フェレスの境遇を知ったクルルもまた、セレスと同じように
自分も
フェレスの支えになってあげたいと思い共に行動するようになります。


+彼女は初めてそれを望んだ。+
「私には魔力がない。・・・けれど私はそんなものはいらない。
私にはセレスがいる。セレスがいてくれる。クルルだっている。
それがあるなら、他には何もいらない」


フェレスにとって、セレス、クルルの存在は他の何よりも優先されるものでした。
常に自分の側にいてくれて、自分を想ってくれる。護ってくれる。支えてくれる。
彼女は真にそう思っていました。
・・・でも。

ある時、傷ついた自分をかばい
セレスも傷ついてしまいます。
そんな
セレスを見た時。傷ついた自分達のために怒ってくれるクルルを見た時。
・・・
フェレスは初めて、強く、心の底から思います。

「力が―魔力が欲しい」と。

それは、エルフとしての“誇り”や“存在意味”を求めるのではない。
ただ。
大切な人を護りたい。そのための力が欲しい。
そう。ただそれだけでした。


+引き裂かれる二人の姉弟。+
フェレス
が12歳になったある日。
王国の、女王の取り決めによって、
フェレスは王国を追放される事になります。
“彼女の存在がいつまでも王国にある事で、王国から混乱が消えない”
という女王の判断でした。

力もない。自分を支えてくれていた存在もなくなってしまった。
フェレスは。その日、全てを失ってしまいました。


+神々の秘宝+
王国を追放された
フェレスは一人、あてもなく彷徨いますが。
その中で、二人の人物と出会うことになります。
一人は、
『ラルフ』という人間
もう一人は
『???(名前が思い出せないらしい?)』という
見慣れない黒肌のエルフです。
二人とも、共通した“目的”を持っていました。
その目的は―“ハイ・エルフの王国にある『神々の秘宝』を手にする”というものでした。

『神々の秘宝』
フェレスも何度か耳にした事のあるものでした。
“かつて神々の戦いにも用いられたとされる物で。
それを手にし、望めば。その者に力をもたらしてくれる”
という物でした。
王国では、女王によって厳重に管理されており、女王以外その秘宝には
触れる事の叶わない物です。
ふたりは、ある理由からそれを手にしようとしているのだというのです。

「それを使えば、お前も力を手にする事が出来る」
そう黒肌のエルフは
フェレスにささやきかけます。
フェレスはとても迷いました。とても心が揺れました。けれどそれはとても危険な事です。
そんな事をして、もしも上手くいかなければ・・・その時は
追放よりも辛い未来が待っているのです。
もし上手くいったとしても、本当に自分が望む力を手にする事が出来るのか・・・。

フェレスはとても迷いました。・・・迷って、迷って。そして。
黒肌のエルフの話に乗る事に決めました。
それはとても危険な事だとわかっているけれど。けれどそれでも。
自分の望む力が手に入れられる・・・その可能性があるというのなら。
また、
セレスクルル達と共に過ごせる日を取り戻せるかもしれないというのなら。

「私は―私も、一緒に行く」


―果たして。
フェレスの未来は―